Posts Tagged ‘カッコーの巣の上で’

カッコーの巣の上で

土曜日, 10月 18th, 2014



iryou...7






かつて精神医療の世界では、脳の前頭葉を切除するロボトミー手術が行われていた。




しかし、副作用の大きさや人体実験に近いのではないかとの批判を受け、
日本国内においては、精神医学上禁忌されている。




1975年に公開された映画、「カッコーの巣の上で」は、
精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、
患者の人間性までを統制しようとする病院の非人間性に対抗し、
自由を勝ち取ろうとする物語で、大ヒットを記録した。




アカデミー賞においては、主演のジャック・ニコルソンを始め、
主要5部門を独占し、特に婦長役を演じたルイーズ・フィッチャーが主演女優賞を受賞した際、
聾唖の両親に、手話で涙ながらに感謝の言葉をかける場面は、
アカデミー賞史上に残る、感動の名場面の1つとなっている。




精神病院を舞台にしているが、あえてその場に居続けることをよしとしてる患者達が、
婦長や病院側の言うがままに動く姿は、そのまま現代の企業や役所に置き換えてもおかしくはない。




管理される方が楽に生きられる、他人に身を任せている方が得だ、
現代にもそういった考え方は蔓延している部分がある。




この映画は、そういう身の回りにある社会生活に警告を発している作品と言えるだろう。




最終的に、主人公はロボトミー手術を強制的に受けさせられ、感情の一切を失ってしまうのだが、
主人公の意思を受け継いだ一人が精神病院からの脱出を試み、朝焼けの中を走っていく。




管理する側と管理される側は、いつの時代もどこの場所にも存在する、
人間にとって避けることのできない問題だ。




今もなお精神医療のあり方に一石を投じている不滅の傑作だ。